睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome: SAS)は、睡眠中に呼吸が一時的に止まったり(無呼吸)、浅くなったり(低呼吸)する疾患です。これにより、体内の酸素濃度が低下し、睡眠の質が低下するだけでなく、さまざまな健康問題を引き起こす可能性もあります。症状としては、夜間と日中の両方に認めます。
夜間の症状
・大きないびきをかく(家族から指摘されることが多い)
・睡眠中に呼吸が止まっていると指摘される
・息苦しくて目が覚める
・夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)
・朝起きたときに頭痛や倦怠感がある
・熟睡感がない
日中の症状
・日中の強い眠気(会議中や運転中など、状況に関わらず眠くなることがある)
・集中力の低下
・疲労感がとれない
健康被害に関して
・放置すると、高血圧、心筋梗塞、脳卒中などの循環器疾患や糖尿病の悪化、日中の眠気による事故のリスクを高めます。
・重症の場合は寿命が短くなる可能性が指摘されています。
原因
原因は主に以下の2種類に分けられます。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群
肥満や扁桃腺肥大などにより上気道が狭まることで起こる、最も一般的なタイプです。
中枢性睡眠時無呼吸症候群
脳からの呼吸指令に問題があるタイプで、心不全などの病気が関連することもあり、比較的まれなタイプです。
検査
検査は段階をおって簡易睡眠検査と終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)が行われます。
簡易睡眠検査
睡眠時無呼吸症候群は、「寝ている状態」での異常なので、通常の診察では病気を見つけることができません。眠った状態での検査が必要になります。スクリーニングとして、自宅で取り扱い可能な検査機器で、寝ている間に検査をします。具体的な方法は、手の指や鼻の下にセンサーをつけ、いびきや呼吸状態から酸素、呼吸の状態を調べます。これにより1時間当たりの10秒以上の無呼吸と低呼吸の合計数(無呼吸低呼吸指数:AHI)がわかります。
終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)
終夜睡眠ポリグラフ検査は睡眠時無呼吸症候群の検査の中で最も精密な検査になります。睡眠中の、脳波・眼球の動き・筋電図・心電図・呼吸運動・血液中の酸素飽和度などを同時に計測・記録することができます。この検査により無呼吸低呼吸指数(AHI)、酸素低下状態、睡眠の質、不整脈などを評価し、総合的に診断します。従来の終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)は病院に入院し検査する必要がありましたが、当院では入院せずに自宅で検査を行うことができる在宅検査も実施しております。在宅での検査は、普段の睡眠状態を正確に評価できることや、仕事を休むまずに自分のスケジュールで検査を行うことができます。ご相談ください。
治療について
睡眠時無呼吸症候群の治療方法は4つほどあります。
①生活習慣の改善 ②CPAP療法 ③マウスピース ④外科手術
治療法の中でも「CPAP療法」による治療が、現在は主に行われております。
生活習慣の改善
減量
肥満が原因の閉塞性睡眠時無呼吸症候群には効果があります。10%程度の体重減少で無呼吸低呼吸指数(AHI)が26%低下したという報告があります。
睡眠時の体位
仰向けになると舌が落ち込みやすくなるため、気道が閉塞しやすくなります。体を横向きにして寝たり、抱き枕を使用したり、枕の高さを調整することで、気道が狭くなることが減少しやすくなりますが、すべての人に効果があるわけではありません。
飲酒の制限
アルコールはのどの筋肉を緩める作用があり、気道の閉塞が起こりやすくなります。睡眠時無呼吸症候群の人は注意が必要です。
CPAP
Continuous Positive Airway Pressure(持続陽圧呼吸療法)の略で、睡眠中に専用のマスクを装着し、機械から空気を送り込み気道を広げる治療法です。
方法は、専用機器をご自宅に導入していただき、専用マスクをご自身で装着し、就寝していただきます。CPAP治療を開始すると、最初は違和感を認めることがありますが、ある程度慣れてくると、睡眠時無呼吸症候群の症状が改善していきます。中等度以上の睡眠時無呼吸症に効果があるものはCPAP療法のみとなっております。ご自身で行えることや、高い治療効果が得られることから、現在では睡眠時無呼吸症候群の主な治療法となっています。しかしながら、あくまで対処療法のためCPAP治療を止めてしまうと、再び無呼吸や低呼吸の症状が再発します。
